公開日: |更新日:
純金積立を行う際に大きな影響を与える、金の価格が決まる仕組みについて述べていきたいと思います。
金の価格は日によって変わります。この点は為替や株と同じです。金の価格がどのように決まっていくのか、順を追ってご説明しましょう。
まず金の価格の基準となる国際価格は、取引量で左右されます。金の取引は夜間も含めて一日中世界各地の市場で行われていますが、なかでも4市場と呼ばれる香港・シンガポール、チューリッヒ、ロンドン、ニューヨークでの取引により相場が形成されていきます。とりわけ重要なのはロンドンで、金取引の中心かつ最大の市場となっています。
ロンドン市場では毎日午前10時30分と午後3時の2回、フィキシング(Fixing)と呼ばれる、金の取引量を基に算出された価格が発表されます。この価格を使った現物取引は「ロコ・ロンドン取引」といわれ、金現物取引の国際的標準となっています。ちなみに金の国際価格は1トロイオンス(貴金属の国際取引単位で31.1035gに相当)あたりの米ドル建てで表示されます。
この国際価格をもとに、日本も価格を決めています。金1gの価格は円建てで表示されますので、まず対ドル為替レートの金で円価格に換算、その上で1トロイオンスあたりの価格を1グラムあたりの価格に換算するというしくみです。
ここで金の国際価格とともに重要になってくるのが、円ドルの為替レートです。例えば国際価格が1,000ドル/オンスだった場合、円ドル相場が1円変われば金1グラムあたりの価格は30円程度も変わってきます。つまり日本で販売される金の価格は、金相場よりも、為替相場が大きく影響してくるのです。また輸送費、製造・流通費などのコストも金の販売の価格に影響します。取扱会社を選ぶ際は、こうした要素も考慮すべきなのです。
金相場に大きく影響を及ぼすのが世界情勢です。例えば、テロや戦争、財政危機などによって世界情勢が不安定になると金の価値は上昇します。株式のようなリスクが高いものへの投資を避け、現物試算の金を求める投資家が増えるからです。
実際に、ロシアのウクライナ侵攻が起きたときも金が高騰しました。逆に政治や経済の不安が解消され世界情勢が安定すると、金の値段は下降傾向に。金相場は、世界の情勢を映し出す鏡とも言えます。
インフレが懸念される状況では、金相場も上昇する傾向があります。インフレとは、物価がどんどん上昇していく状態のこと。物価が上がると、それまで100円で買えたものが120円、140円と値上がりしていくことになり、お金は相対的に価値が減少します。
こういったインフレの懸念が広まると、自分の資産が目減りしないように金を買い求めるわけです。結果として、金を求める人が増えることで金が市場から少なくなり、金相場も上昇します。
金相場に影響する要因のひとつに、金利の引き上げや引き下げもあります。金利とは、投資金額に対して支払われる年間利息の割合のことです。金利が高いときに銀行にお金を預けると、得られるリターンも多くなります。
しかし、金には金利はつかないため、所有しているだけでは資産を増やすことはできません。そのため金利が上がるときは金を求める人が減って金相場が下がり、金利が下がれば金相場は上昇します。なお、金は国際的に米ドルで取引されるため、日本ではなくアメリカの金利が影響しやすいです。
では金のトレンドは今後どうなるのか。結論から言ってしまいますと、今後は、分散投資として役割が高まっており、宝飾品や工業用需要も伸びているため、今後も上昇トレンドは続き、価格が急落する可能性は低いと考えられています。
世界情勢や経済の影響で金の価格は上下しますが、2000年以降、金は上昇トレンドに乗っています。それ以前はローリスク・ローリターンなことから投機対象としての人気が下落したこともありましたが、2001年の3.11テロや2003年のイラク戦争など、社会情勢の不安とともに金への回帰が起こります。そして2008年のリーマンショックをきっかけに、一晩で紙くずになりかねない株券に変わる投資対象として金が見直されました。
その後、2009~2011年も純金の投資需要は増え続け、中国・インドだけでなく、日本をはじめとする製造国でも需要は増えています。よって、金価格が急落することはまずないと予測されています。
また、当サイトでは純金積立を取り使っている会社を、年間総コストで比較してみましたので、純金積立を始める前の参考にどうぞ。
純金積立会社はどこがいい?
年間コストで比較!おすすめ会社5選の
口コミ・評判をチェック