金へ投資をしたいけれど、十分な初期資金を用意できないという人は「金ETF」という方法があります。
一口数千円~数万円の小額から投資できるので、予算に合わせて少しずつ増やしていくことが可能です。こちらでは金ETFの特色とメリット・デメリットを紹介していきます。
まずETFとは「Exchange Traded Funds=上場投資信託」のことです。
そして金ETFとは、金の市場取引ではなく証券取引所など金融取引所で売買できるよう設計された新金融商品のことで、金地金で運用する投資信託を株式市場に上場した投資信託です。
株式銘柄ように証券コード(4ケタの数字)を持ち、株式と同じように売買できます。金ETFの価格は金価格に連動するのが特徴で、損益は金価格の変動に左右されることになります。
金ETFの銘柄には次のようなものがあります。
金地金のインゴットや金貨の購入には高額な費用がかかりますが、金ETFの場合は、数千円~数万円の費用から購入できます。
銘柄によって異なりますが、最低購入単位は一口、あるいは十口からで、自分の予算に合わせて購入口数を決定できる点が嬉しいポイントです。
金地金や金貨を所有する場合、紛失や盗難のリスクが伴います。自分で保管せず銀行や業者に保管を依頼すれば、安全面はクリアしますが管理コストが発生します。
金ETFは直接金を保有するわけでないので保管料等のコストがかからず、盗難や紛失の心配がない点がメリット。
金ETFに投資する場合、証券会社や銀行を通すことになります。株取引を行っている人は、証券会社で株・ETFとも取引すれば資産管理が楽になるでしょう。
口座があればわざわざ店頭まで出向く必要がなく、ネットで簡単に売買できます。ETFは「売り」と「買い」のスプレッドがないのでわかりやすいのも特徴です。
ETFを利用するには信託手数料(信託報酬)が発生します。これはETFなどの投資信託を信託会社に管理し運用してもらうための経費です。投資信託の種類によって信託報酬は異なりますが、年0.4~1.0%程度となります。
信託手数料は別途支払うわけでなく、信託財産の中から何%といった形で差し引かれることになります。
投資信託では配当金がメリットになるケースが多いのですが、金ETFには配当金はありません。
もっとも金地金や金貨に投資する場合であっても配当金はありませんから、金投資を目的にしている人にとっては大きな問題にならないでしょう。
金ETFは金価格と連動するように運用される上場投資信託のため、現物を預託したり保有したりする必要はありません。保管の手間がかからないため、金投資を有価証券で行いたい人におすすめです。
金ETFは、現物の金と比較して少額から投資することが可能です。気軽に買える銘柄もあるため、コストを抑えた投資を行いたい人におすすめです。金の場合はリスク分散にもまとまった資金が必要ですが、金ETFなら比較的手軽に金投資を始められるでしょう。
金ETFは保有中にかかる手数料が安く、逆に買付と売却の時は手数料がかかえるため、長期目線で投資したい人に向いています。ただし、ETFの成長が信じられなくなったり資金的に厳しい場合は、売るという選択肢を選んでもよいでしょう。リアルタイムで価格が変動するため、注文タイミングによっては売買価格が異なるので注意しましょう。
大まかな金ETFの始め方は以下のとおりです。基本的に購入方法は株式投資と同じです。
さまざまなETFのうち、金ETFは、経費率が比較的高めです。経費率が高いと、どうしても利益を出すのが容易ではなくなるというデメリットがあります。投資期間中の運用コストが大きくなってしまうからです。
ちなみに、株式のETFを投資対象とする場合の経費率と金を対象とする場合の経費率とを並べて比較すると、次のようになります。
参照:いろはに投資
(https://www.bridge-salon.jp/toushi/gold-etf/)
上述のとおり、金ETFはほかのETFと比較すると、経費率が高いという問題があります。また、ETF内だけで比較するのではなく、現物取引などと比較検討することも大切です。ちなみに、現物取引と比較すると、金ETFのほうがコストをおさえて運用しやすいです。ただ、信託報酬は低くありません。