こちらでは、純金積立における重要ポイントのひとつである「刻印」について解説しています。品質を保証するために、刻印がどれほど大きな役割を担っているか、しっかりと把握しておくことが大切です。世界の刻印制度もあわせてみていきましょう。
刻印とは、その貴金属製品にどういった材質が使用されているかを表すマークのことです。金とその他の金属が含まれている割合がわかります。また、混ざりけのない完全な純金である場合には、その旨が表示されます。他にも、製造方法や販売場所、ブランド名など、さまざまな種類の情報を知ることができます。
ただ、日本においては、刻印を表示しなければならないという法律がありません。そのため、貴金属を買い取るときに、すべての品質についてミスなく把握することは不可能です。誤った品質認識のまま取り引きが進でいくと、どこかの時点で生じる損害は、かなり大きなものになってしまいます。
製品の品質などについての情報をミスなく伝えるだけでなく、偽物の取り引きによって生じるトラブルを未然に防ぐことが刻印の役割です。
現在、金の供給は少しずつ限界を迎えつつある状態だといえます。これまでに、トータルの埋蔵量のうち、採掘ができる金の75%はすでに採掘済みとなっています。よって、残りはそれほど多くないわけですが、金相場は上昇を続けているのです。粗悪品や偽物が流通しやすくなることが容易に想像されますね。あらためて刻印の必要性の高さがうかがわれます。
参照元:買取専門店おたからや『刻印はなぜ必要なのか?』(https://www.otakaraya.jp/contents/gold-platinum/gold/kokuin-kaisetsu/)「K18」という刻印は、75%の金と25%の割金が混ざった合金が使用されているジュエリーなどにみられる表示です。ただ、中には「18K」という表示になっている場合もあります。この刻印は、アルファベットであるKがあとに来ているため、アトKと呼ばれます。
アトKでもマエKでも、表される情報は、基本的には同じです。一般的には、古い製品や東南アジアなどでつくられたものにはアトKが採用されていることが一般的です。そのため、アトKは、実際の純度が低かったり純度にバラつきがあったりするなどのリスクがともなうと考えられています。
とはいえ、アトK表記であっても、純度になんら問題がないものも多くあります。例えば、現在でも、ハワイアンジュエリーやイタリア製のジュエリーなどにはアトK表記を採用しているメーカーも少なくありません。日本でも、万年筆にはアトKが採用されるなど、製品によって状況はさまざまです。
参照元:なんぼや『アトKとは何か?』(https://nanboya.com/gold-kaitori/post/刻印は金の品質を保証する大切なもの/)本物の金であるかどうかを調べる方法は、いくつかあります。ただ、金を傷つけてしまうなどのリスクがあるので、専門家でない限り、迂闊に調べようとすることはあまりおすすめできません。ですから、基本的には、偽物を見抜こうとする際には刻印で判断することになります。けれども、なかには刻印自体が見づらくなっているものもあるため、見極め作業は、必ずしもそれほど容易ではないという問題があります。
日本では、造幣局のホールマークによって品位を保証しています。刻印を入れることは、法律では定められていません。一方、海外では、金に関するトラブルが多いため、厳しい制度を設けているところもあります。ここでは、中国・フランス・イギリスの例をみていきましょう。
刻印は漢字で表示されています。そして、中国圏の刻印には注意が必要です。というのも、「シナ金」と呼ばれる金は、純金を意味する刻印が打たれていても、金の純度が少ないことが多々あるのです。中国の刻印は信用度が高いとはいえないようです。
参照元:買取専門店おたからや『中国の刻印制度について』(https://www.otakaraya.jp/contents/gold-platinum/gold/kokuin-kaisetsu/)ワシの頭の絵が、金のホールマークとして使用されています。1838年から採用されているマークで、K18以上の純度であることを保証するものです。ちなみに、ワシの頭の絵は、これまでにデザインの変更が3回おこなわれています。そのため、マークのデザインをみれば、その製品がいつごろつくられたのか、おおよその年代を知ることができます。
参照元:なんぼや『フランスの刻印制度』(https://nanboya.com/gold-kaitori/post/刻印は金の品質を保証する大切なもの/)700年以上という長きにわたり、刻印制度が続いています。1300年代にたくさんの粗悪品が流通したことが、この制度がつくられるきっかけとなったのです。王冠のデザインが金のホールマークになっており、横には916、750、585、375といった形で純度も表示されています。さらに、鑑定場所についての情報もあります。例えば、ヒョウの絵はロンドンを示しています。
参照元:なんぼや『イギリスの刻印制度』(https://nanboya.com/gold-kaitori/post/刻印は金の品質を保証する大切なもの/)